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Cloudflare(クラウドフレア)とは?導入のメリット・デメリットをご紹介

Webサイトを運用するなかで、ページの表示速度やセキュリティに悩むことは少なくありません。さまざまな工夫で解決しようにもなかなか思いどおりにならない場合は、CDN(Contents Delivery Network)の利用を検討してみてください。

CDNとは、Webコンテンツを迅速かつ効率的にユーザーへ配信するためのネットワークです。世界中の配信拠点にWebコンテンツをキャッシュして、オリジンサーバーに代わってユーザーに届ける仕組みとなっています。

CDNの代表的なサービスに「Cloudflare(以下 クラウドフレア)」があります。クラウドフレアを導入することで、ページの表示速度やセキュリティに関する悩みを一括で解決できる場合があります。

この記事では、クラウドフレアの特徴や仕組みについて解説します。導入するメリット・デメリットや導入に向いているサイトもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

Cloudflare(クラウドフレア)とは

クラウドフレアとは、ページへのアクセスやフォームでの情報送信など、Webサイトに対するユーザーからのリクエストを適切に処理するためのCDNサービスです。Webサイトに導入することにより、ユーザーへ迅速にコンテンツを届けられるほか、アクセスの集中による表示遅延やサーバーダウンを防ぐことができます。

数あるCDNサービスのなかでも、クラウドフレアは世界的に支持されています。企業・個人はもちろん、業種も問わず、さまざまなWebサイトでパフォーマンスの向上とセキュリティの強化に役立てられています。

Cloudflare(クラウドフレア)を導入するメリット

Webサイトにクラウドフレアを導入するメリットは、以下のとおりです。

セキュリティを強化できる

クラウドフレアには「WAF(Web Application Firewall)」が標準搭載されています。WAFとは、Webサイトの脆弱性に付け入ったサーバー攻撃をはじめ、悪質なbotによる攻撃、DDoS攻撃を防御するためのセキュリティ対策機能です。

クラウドフレアを導入した場合、初期設定のみでWAFが機能するため、複雑な設定をせずにWebサイトのセキュリティを強化できます。

ページの表示速度を高速化できる

ページの表示速度は、Webサイトの運用を最適化するうえで重要な要素です。ユーザーの満足度はもちろん、SEOの評価やコンバージョン率にも影響するため、常に速い状態でキープすることが求められます。

クラウドフレアは、世界中の330都市以上にデータセンターを設置しており、ユーザーとの距離が近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みとなっています。これにより、ユーザーにとってもっとも短いデータの通信距離が確立されるため、ページの表示速度が高速化します。

機能が充実している

クラウドフレアには、画像変換やオンライン待機室など、さまざまな機能が備わっています。例えば、画像変換は画像のサイズ調整や画質調整、圧縮、形式変換などができる機能です。画像を軽量化することでページの表示速度が速くなるため、画像変換は非常に役立つ機能といえます。

クラウドフレアの機能は継続的にアップデートされており、2024年にはAIによる脅威に対してAIでWebサイトを守る「Defensive AI」という機能も発表しています。

このように新機能の提供も活発に行われているため、これらを活用することでWebサイトの運用をより最適化しやすくなります。

無料でも利用できる

クラウドフレアには無料プランがあります。DDoS軽減ソリューションやSSL証明書の発行など、基本的なセキュリティとパフォーマンスは無料プランでも利用できるため、使い心地や効果を気軽に確認できます。

Cloudflare(クラウドフレア)を導入するデメリット

Webサイトにクラウドフレアを導入するデメリットは、以下のとおりです。

Cloudflare(クラウドフレア)がダウンするとサイトが表示されない

クラウドフレアを導入した場合、Webサイトはクラウドフレアを経由して表示されることになります。もしクラウドフレアに障害が生じダウンすると、たとえサーバーに問題がなくてもWebサイトが表示されなくなってしまいます。

クラウドフレアがダウンすることは稀ですが、その可能性がゼロではないことを理解する必要があります。

WordPressの利用でキャッシュ事故が起こる可能性がある

クラウドフレアの「キャッシュの取得によりページの表示速度を速くする」という特性上、動的ページにおいては「キャッシュ事故」への注意が必要となります。

動的ページには、例えば管理者ページがあります。ログインしていれば管理者メニューが表示されますが、同じURLでもログインしていなければ表示されません。

キャッシュ事故とは、例えば管理者ページにログインしている状態がキャッシュされたとき、この状態ごとサーバーから配信され、第三者が管理者メニューを見れてしまうといった状態を指します。

仮に、WordPressをはじめとするCMSを利用してWebサイトを構築している場合、管理者ページが必ず存在するため、キャッシュ事故が起こらないように注意しなければなりません。

なお、クラウドフレアの「ページルール」で適切な設定を行っていれば、キャッシュ事故を防ぐことができます。

適切な運用には知識が欠かせない

クラウドフレアを適切に運用するには、上述した「WordPressでの利用時の注意点」をはじめとする、さまざまな知識が必要です。一つひとつの設定がどのような結果につながるのかまで理解することで、設定ミスや重大な不具合を防げます。

クラウドフレアへの理解を深めるためにも、まずはテスト環境で利用してみて、知識を蓄えていくのもよいかもしれません。

Cloudflare(クラウドフレア)の導入に向いているサイト

クラウドフレアの特徴やメリットを踏まえると、導入に向いているサイトは主に以下の5つと考えられます。

     セキュリティ対策を強化したいサイト

     画像や動画が多く、表示速度の高速化が重要なサイト

     アクセスが集中しやすいサイト

     グローバルに展開しているサイト

     大容量なデータを扱っているサイト

どれかひとつでも当てはまる場合は、積極的にクラウドフレアの利用を検討してみてください。

まとめ

この記事では、クラウドフレアについて以下の内容を解説しました。

     クラウドフレアとは、Webサイトに対するユーザーからのリクエストを適切に処理するためのCDNサービス

     クラウドフレアを導入するメリットには「セキュリティの強化」「ページの表示速度の高速化」などがある

     導入するデメリットには「ダウンするとサイトが表示されない」「WordPressの利用でキャッシュ事故が起こる可能性がある」などがある

     画像や動画が多かったり、大容量なデータを扱っていたり、セキュリティ対策を強化したりしたいWebサイトは、特にクラウドフレアの導入がおすすめ

クラウドフレアは、Webサイトにおける「表示速度の高速化」と「セキュリティ対策の強化」を両立できるCDNサービスです。導入するにあたって注意が必要な点もありますが、Webサイトの運用を最適化するためには不可欠といえます。

今回ご紹介した内容を踏まえて、ぜひクラウドフレアの導入を検討してみてください。

株式会社NTTデータ ニューソンの『プライベートSOC運用支援サービス』は、既存のセキュリティ製品を最大限に活用しながら、脅威の監視から分析、インシデント対応まで、実効的なセキュリティ対策を支援するサービスです。

このたび、同サービスでクラウドフレアの活用が可能となり、より効果的な監視・検出・分析を行えるようになりました。

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