Design Solution Forum 2025 登壇体験記
若手が創るLinux学習革命
- DSF2025
- DesignSolutionForum2025
- Linux
- Linux学習
- 若手育成
はじめに
2025年にパシフィコ横浜で開催された技術フォーラム「Design Solution Forum 2025(以下、DSF2025)」にて、「4社合同!若手が創るLinux学習革命」というテーマで登壇する機会をいただきました。このフォーラムは、組込みシステムにおけるソフトウェアおよびハードウェアのデザイン手法を議論する場として2014年にスタートしたイベントで、「創ろう、拡げよう、設計者ネットワーク」をコンセプトに毎年開催されています。
今回の講演では、NTTデータグループおよびパートナー企業とともに取り組んだ若手育成施策「共創モビシス大学」の活動について紹介し、若手同士の学び合いの場がどのように成果を生み出したかについて発表しました。本コラムでは、DSF2025での講演や共創モビシス大学の活動を通じて得られた学びや気づきについてご紹介します。
共創モビシス大学の活動について
「共創モビシス大学」は、若手同士が学び合いながら成長する実践型トレーニングの場です。
もともとは株式会社NTTデータMSEが2023年度のDSFで発表した若手育成施策「モビシス大学」が起点となっています。本取り組みはそれをNTTデータグループおよびパートナー企業へ拡張したものです。
参加メンバーは主に組込みソフトウェア開発に携わる入社1~4年目の若手エンジニアで、初年度の活動では組込み開発において誰もが共通して必要となる技術の一つであるLinuxを学びました。
教材としてLinuxの仕組みを基礎から学べる書籍『Linuxのしくみ(武内 覚著,技術評論社)』を採用し、参加メンバー全員が理解した内容を展開できるように「輪講形式」で学習を進めました。輪講は月1回3時間、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施しました。事前に各社混合3~5人のチームを作っておき、毎回1チームが講師役として輪講資料を使った教材内容の解説を担当します。
会社の垣根を超えてコミュニケーションをとれるように、輪講資料の準備では必ず2回以上集まって進捗確認や相談、レビューを行い、輪講当日も参加者全員で疑問点を共有、その場で議論しながら解決する時間を作りました。
活動初年度の成果
年間を通じて全12章の輪講を完遂しました。
1年間の活動を経て、技術面では
- Linuxの知識を実業務で活用できる場面が生まれた
- 業務内で交わされるLinux関連の議論への理解度が向上した
といった成果が見られました。
さらに、
- 疑問共有とディスカッションを通じた発信力・ファシリテーション力の向上
- 活動後半のモチベーション低下を、対話を通じて乗り越える経験
など、ヒューマンスキルの成長も確認できました。
また、受講者自ら課題を発見し、QA整理会や輪講外での復習を実施するなど、課題解決に向けて取り組む力も伸ばすことができました。
本活動に参加した若手24名で、企画から運営まで主体的に推進、会社の枠を超えたコミュニティが形成され、まさに「Linux学習革命」と呼べる成果が生まれました。
講演を終えて感じたこと
講演では以上の「共創モビシス大学」の活動紹介と成果を中心にお話ししました。
講演に向けた準備では、特に成果の整理で苦労しました。なんとか教材を1冊終えられた、というのが初年度の活動を終えた直後の正直な自分の感想でしたが、講演資料を作りながら活動の振り返りを行い、さらに上長からフィードバックをいただくことで、自分たちの成長した点に気づくことができました。
また、発表後、聴講者からは「活動に興味がある」との声をいただきました。発表前は、「社外の人にとって魅力的な活動に映るだろうか」と不安を感じていましたが、実際に興味を示していただけたことで、活動が価値あるものだと再確認できました。このようなフィードバックを得られたことは、今後の活動にも非常に大きな励みになりました。
これまで個人に任されていた学習では、300ページ近くある技術書を1年で1冊読み切るのは、途中で出てきた疑問点の解消やモチベーションの維持が難しく、なかなかハードルが高かったと思います。共創モビシス大学のように、大学の研究室のようにメンバー同士が疑問を共有し、議論を通じて納得するまで学び合う環境があったからこそ、1年間で教材1冊をやりきることができたと思いました。
今後の活動に向けて
「共創モビシス大学」に参加する前は、若手育成や社外交流に課題を抱えていましたが、活動を通じて学んだ内容の業務活用や若手同士のコミュニティ形成が進みつつあると感じています。
「共創モビシス大学」は現在も継続しており、さらなる学習テーマの拡充や参加企業間の連携強化を進めています。
今後も若手エンジニアが主体的に学び合い、技術力と人間力の双方を高められる環境づくりに取り組んでまいります。
執筆者

- 平原 慶裕
- 先進ソリューション事業部 自動車統括部 モビリティソフトウェア開発担当
- 2021年に入社。これまでに自動車のステリング制御システムのモデルベース開発やOTA機能の単体テストを経験。共創モビシス大学では、運営を行いつつ、自身の技術も研鑽中。
